Markets and Applications for Electroless Nickel
無電解ニッケルめっきプロセス
無電解ニッケルめっきは部品形状を問わず、幅広い金属部品、非金属部品に使用されています。
無電解ニッケルめっきは外観や高度な技術特性が要求される部品や、様々な過酷な環境下で用いられる部品の特性を向上させるために用いられます。他に類を見ない高い信頼性と安定性を備え、環境にやさしい我々の無電解ニッケルめっきは多くの市場、産業に貢献しています。
無電解ニッケルめっきの特性
・高い皮膜硬度
高硬度皮膜は部品の耐摩耗性を向上させます。例として自動車のシリンダー、ギア、油圧バルブなどが挙げられます。
・優れた皮膜均一性
複雑な形状であっても均一なめっき皮膜を実現します。
そのためコストのかかるめっき後の研削工程を省くと同時に、最終成型品の寸法公差の問題を解決します。
・優れた耐食性
高い耐食性能を有する無電解ニッケルめっき皮膜は長期にわたって部品機能の低下を防ぎます。
部品交換作業が非常に困難である海洋石油採掘施設に用いられる深海バルブなどにはこの無電解ニッケルめっきが使われています。
・様々な皮膜光沢
本来、機能めっき皮膜ではありますが、様々な機能に加えてその高い光沢性も魅力の一つです。
そのため反射を避けるために半光沢無電解ニッケルめっきが用いられることもあります。例えば、軍事用の電子部品コネクターには半光沢無電解ニッケルめっき、或いは黒色無電解ニッケルめっきが用いられます。
・早いめっき速度
産業の分野では高い性能のみならず、経済的なコストであることも重要です。無電解ニッケルめっきは一時間あたり20マイクロメートルを超えるめっき速度でそれを実現します。
・ピットのないめっき皮膜
無電解ニッケルめっきはピットの無いめっき皮膜を形成します。
つまり、表面欠陥による不良を減らすことができます。この皮膜特性は特にアルミニウムのハードディスクドライブなどにめっきをする際に非常に重要です。このような用途には、無電解ニッケル合金めっきが用いられ、アルミニウム部材に高い皮膜硬度と耐食性能を付与します。
・圧縮応力皮膜
圧縮応力によって めっき皮膜は長きにわたって完全な状態に維持されます。それとは対照的に、引っ張り応力を持つ皮膜は比較的早い段階で皮膜のクラックなどに起因する不良が起ることがあります。海洋石油採掘施設に用いられる深海バルブや自動車のシリンダーなどでは長い期間皮膜性能を維持することが重要です。
・はんだ濡れ性/溶接性/ろう付け性
これらの特性によって、めっき後処理が可能になることで、さらに過酷な規格を可能にします。
・磁性/非磁性特性
ニッケルは僅かに磁性を持った金属ですが、めっき皮膜中のリンの含有率を増加させることで、これを低下させることができます。高リンタイプの無電解ニッケルめっき皮膜は非磁性であり、メモリーディスク用アプリケーションとして重要な特性です。
無電解ニッケルめっき規格
マクダーミッド・エンソンの無電解ニッケルめっきは航空機、自動車、電子機器(ハードディスクドライブなど)、海洋石油採掘を含む様々な規格に承認されています。マクダーミッド・エンソンの無電解ニッケルめっきが持つ皮膜特性はAMS2404やAMS2505といった無電解ニッケルめっきの主要規格に適応しています。
・AMS2404 様々な素材に対する耐食性能、皮膜硬度などを含む工業規格
・AMS 2505 皮膜中のリン含有率8%以下
マクダーミッド・エンソン 無電解ニッケル 適合規格 | ||
AMS 2404 | AMS 2405 | AMS 2433 C |
AMS 26074 | ASTM B-733 | Boeing BAC-5728 |
Chrysler CS9003 | Ford WSS-M99P9999-A1 | Ford WSD-M1P65B1 & B2 |
GMW 3059 | ISO 4527 | McDonnell Douglas DPS 967 |
MS 2404 | Pratt & Whitney 1257 | Pratt & Whitney 1584 – 15871 |
Pratt & Whitney 1589 | Westinghouse 2404 |